幅広い対象への適応を目指し,入院森田療法から外来森田療法へと主たる治療のシステムが変化していった森田療法。本書では,実際に外来患者を前にして,問題点をどのような枠組みで理解し,どのような介入を行い,それがどのような変化を引き起こすのかを紹介する。
第1章では森田療法の臨床の知の根っこに“自然”という理解が存在することを解説。第2章では森田自身の治療実践,赤面恐怖の介入法と治療経過をとおして,森田療法では症状そのものを直接扱わない(不問)という原則を確認し,第3章では,森田療法のメタサイコロジーというべき自然論について解説する。第4章では,森田療法の治療目標である「あるがまま」と,「とらわれ」という対極的なあり方を説明。
第5章から第9章までは,治療の実践編として治療時期ごとの介入法とクライアントの変化,家族への介入法を紹介する。そして,森田療法の実践をさらに深く理解するために,第10章から第12章までは,異なった臨床フィールドを持つ森田療法家による事例を提示する。
第13章では外来森田療法のガイドライン(日本森田療法学会)の解説と認知行動療法との比較をし,終章では,現代における森田療法の役割を考察する。
森田療法の最新技法を学べる一冊。
単行本 208頁
本体 3,200円+税
発行所 金剛出版
平成26年11月20日第1刷発行