現代はうつ病の時代といわれている。”新型うつ病”に代表されるように、病態は多様化し、そして慢性化している。このように薬が効かない、治らない、慢性化して深刻な状態になってしまうのは、なぜか。
一般的なうつ病の治療法は、西洋の精神医学からもたらされた科学的手法によるものである。原因を想定し、そこに介入するという観点から薬物療法、そして世界的にも標準的となった精神療法である認知行動療法などがあるが、決して万能でなく、また成功しているとは言い難い。そこでクローズアップされるのが森田療法である。
本書では、現代うつ病がもつ問題点を明確にし、森田療法からみたうつ病の慢性化を分析する。また豊富な症例から森田療法による治療の介入方法を具体的に解説する。すでに薬物療法をおこなっていてもよくならない、休職をなんども繰り返す、長い間引きこもっている、家族もうつ状態になっている……といった慢性化したうつ病で悩む本人・家族の助けとなる一冊。
単行本 258頁
本体 1,400円+税
発行所 株式会社 講談社
平成25年1月15日第1刷発行