コロナパンデミックと森田療法(5)
-自然との共生をめざして-
森田療法研究所・北西クリニック 北西憲二
最後に、コロナパンデミックは私たちの生き方を見直すよい機会かも知れません。
現代は肥大した欲望の時代です。思うとおりにすべてをコントロールしたい、もっと、もっと、多くのものを得よう、という心のあり方が私たちの苦悩の源泉であると原始仏教では教えます。
コロナパンデミックは人間が肥大した欲望に乗って、自然との共生ということを忘れてしまったことと関係するようです。人間の肥大した欲望に突き動かされる社会から、私たちの人間も自然の一部にしか過ぎず、自然との共生を考える社会への転換を迫られていると思います。人間の限界を知り、自然との共生することが、ポスト・コロナの時代には求められるでしょう。
これは東洋の自然論であり、森田療法の基本的な考え方でもあります。
(2020/04/09)