コロナパンデミックと森田療法(4)
-DV防止、虐待防止のために-
森田療法研究所・北西クリニック 北西憲二
閉鎖的な状況では、今まで顕在化しなかった家族の問題点が浮かび上がってきます。そして家族のメンバー同士が、お互いの言動に注意を向き、それにゆさぶられます。
それぞれの家族のメンバーが不安となり、いらだち、落ち込んでいるときは、それが感染し、家族メンバー間で、緊迫した状況になります。
そこでは二つの行動が起こります。一つは、お互いが回避し、関係が断絶することです。
もう一つの現象も深刻です。言葉、行動などによる配偶者、子どもへの攻撃です。それが暴力となり、DVとなります。子どもにその攻撃が向けられると虐待となります。
そしてこれも逆説的ですが、配偶者だけ、家族だけの話し合いは、危険を伴います。お互いの意見の違いが表面化し、それが暴力などを誘発するのです。
それよりも、具体的に日々の生活を維持するための作業を分担し、そこでの活動に注意を向ける方がよいでしょう。
そのような試みが、家族が陥っている悪循環を打破することを可能とします。またお互いが意識し、一人での時間、活動する時間を持つことです。
読書、散歩、その他の活動などです。これがお互いの適度な距離を保つことが出来やすくするのです。
(2020/04/09)